- 2014-2015
- Japan
- Kanagawa
築20年、鉄筋コンクリート造マンションの最上階の一室を改修した。ベランダからはヒッチコックの「裏窓」みたいな眺めが広がっていて、見ていて飽きない。
床面積はそれほど広くはないけれど、居場所はたくさん欲しい。壁をなくして贅沢なワンルームにするのではなくて、あえて壁をジグザグ立てることで、落ち着くニッチやコーナーを用意した。壁はたくさん立っているけれど、引き戸を開けっ放しにすれば、全部の部屋がつながって風が気持ちよく抜けていく。
ラワンベニヤの壁自体はラフに使っても気にならないので、ピンやネジ、テープで自由にものを留めていける。一般には安価な素材だけれど、エッジや取り合いの処理、木目の選び方などに気を使うことで、仕上げ材として上質なものになる。
暖かくて柔らかな表情のラワンに囲まれた中に、ざらざらと荒々しいコンクリートブロックや、つるつるしているメラミン化粧板を細かく散りばめている。特にメラミンは場所に合わせてカラートーンを変えている。
空間の形、手触り、色、それぞれのパラメーターの組み合わせで、バラエティに富んだ場所が詰めこまれた住宅を目指した。
主要用途:住宅
設計・監理:DOMINO ARCHITECTS
施工:ヤマキ
写真:Gottingham