[Cs-010]BABEL

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建築家が設計過程で製作した3Dデータをアーカイブ、公開できるサイトARCH-ABLEのローンチに合わせて、デジタルの世界にホームセンターを設計した。

デジタル・ホームセンター「BABEL(以下バベル)」は六角形の部屋が上下左右に無数につながっていく3Dのデータで、ダウンロードして3DCADで開くことで自由にデータ空間内を移動、閲覧することができる。ホルヘ・ルイス・ボルヘスによる短編「バベルの図書館」では、無限に繰り返し接続していく六角形の書庫に古今東西のあらゆる書物が所蔵されていたが、このバベルには古今東西のあらゆる金物の実測3Dデータが陳列されている。

ボルト/ナット、足場単管、スイッチプレートやカーテンレール。あらゆる日常的な金物の3Dデータが揃っている。複数の金物の3Dデータがバベルというひとつの建築の中にまとめられていることで、形状やサイズを比較検討することができるし、それまで知らなかったアイテムに偶然出会うかもしれない。VR技術が今後普及するにつれて、データを閲覧するインターフェースとして空間の持つ重要性は今後ますます高くなっていくだろう。

陳列されているデータは3Dプリンターなどで現実世界に出力することで、実際に触ったり使ったりすることができる。もちろんシンプルに3DCADで家具などを設計する際の寸法資料として使ってもいいし、レンダリングなどの添景として使ってもいい。

金物の品揃えが増えるたびに、バベルは成長していく。建築はこの世界のどこにもないのに、道具さえあればどこからでも陳列されている品物を出力して触ることができる。物質と情報/アトムとビットの境界が曖昧になっていく。

この情報空間にしか存在しない建築を、ラップトップ・フォトグラフィーと呼ぶ独自の手法で撮影した。3Dデータ空間をラップトップのモニター越しにナビゲーションしながら構図やカメラレンズを決め、現実世界と同じように照明やレフ板のデータを慎重に配置する。シャッターを切るかわりに、アプリケーションのボタンをクリックすることで、この幻のような建築のビジュアルを制作していった。

建築概要
期間:2018-2019
所在地:https://arch-able.jp/archive/2019/05/babel/
主要用途:店舗
設計・監理:DOMINO ARCHITECTS
写真:DOMINO ARCHITETCS + SUNJUNJIE + Gottingham