[F-002]ELEMENT Gallery

  • 2020-2023

フィクションとリアルを横断する架空のギャラリー「ELEMENT」をFICCIONES(※)として設計した。

2018年に惜しまれつつも解体された東京の築地市場。今ではもう存在すらしていない、その巨大でシンボリックな建築から着想を得て、このギャラリー空間のモチーフにすることを考えた。

外周に沿ってカーブしている鉄骨造の空間は、同心円状に無限に増殖していくだろう。そうしてバウムクーヘンみたいに幾重にも重なったボリュームを、ガラス・ファサードの羊羹みたいな新築棟が潔くまっすぐに貫いていく。新築棟の中にはホワイトキューブの展示室が終わりなく連続している。

無限に増殖していくギャラリーでは、どんな大規模な展示にも対応できるし、どれだけ収蔵が増えてもいい。そこで展示・販売されている作品や製品はどれも現実世界に存在していて、オンラインショップを通して購入することができる。

そこはかつて本当に市場だったのかもしれないし、まったくそんなことはないのかもしれない。

ELEMENT GALLERY

主要用途:ギャラリー
CGI建築:FICCIONES
映像音楽:香田悠真
サイン計画:岡本健デザイン事務所

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FICCIONES
DOMINO ARCHITECTS、SUNJUNJIE、Gottinghamからなるコレクティブ。一連のイメージによって架空世界と物質世界とが互いに入れ子になっていくような作品を手がける。その創作は一貫して架空世界の中で行われる。複製/反復/循環の手法によって物質世界では不可能な空間を構築し、素材を与え、撮る。建築家、CGアーティスト、写真家という枠を超えて活動する彼らの作品は、空間であり現象であり、物語である。