[A-018]PROUD Gallery Gotanda

  • 2021
  • Tokyo
    Gotanda

野村不動産が展開するマンションブランド「プラウド」を販売するためのショールーム/商談スペースを設計した。

一定の規模を超えるマンションが計画されると、その竣工に先駆けてプレハブのショールームが敷地近くに建設される。内装や調度品までターゲット層に合わせてスタイリングされたモデルルームや、模型や映像で商材の魅力を伝えるプレゼンテーションルーム。購買意欲を高める演出が目白押しの、さながらテーマパークだ。

エンターテイメントとしてはとても興味深いのだけれど、一歩引いてみると、わずか数年で建設/取り壊し、販売期間内にも状況に合わせてレイアウト変更や改修工事を繰り返す。その都度大量の労力を費やすやり方が、果たしてこの時代にあっているのだろうか。そうした共通の問題意識からクライアントと議論を重ね、マンションのショールームという文化そのものを問い直す提案を行った。その場限りの個別解ではなく、今後の新しいスタンダードとしての一般解になることを目指した。

竣工後のレイアウト変更や増改築が容易であること。設計/施工/解体の流れが省エネルギーであること。モデルルームの中以外は仕上げすぎないこと。これらを達成するために、プレハブの構造はそのままに、軽やかなカーテンで空間を包んだ。

商談スペースの間仕切りは、カーテンに厚みを持たせた「たためる壁」とロールスクリーンを組み合わせることで、セミナーやイベントといった用途に合わせて臨機応変に空間のレイアウトを変えられるようにした。たためる壁にはアーチ状に開口部が抜けていて、動線のコントロールも自由自在だ。カーテンの艶やカーブ、色の重なりを丁寧に検討することで、プレハブの無骨な躯体を感じさせない、優雅で軽やかな空間となった。

商材物件で実際に使われる予定の素材やサンプルを、家具や造作の一部として流用している。高級マンション特有の装飾的なボキャブラリーを否定して排除するのではなく、解体してメタ的に扱うことで、その価値を再評価、再発見することを考えた。

主要用途:ショールーム
設計・監理:DOMINO ARCHITECTS
カーテンデザイン:久米希実 (Studio Onder de Linde)
家具サブスクリプション:Fittingbox by inter.office
施工:株式会社彩都コーポレーション 
協働:株式会社博展
写真:Gottingham

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